中学受験、子どもが「算数は苦手」と言う。本当に全部苦手ですか?

私が個別指導の講師をしていた頃、年齢算でこんな解き方をする子が何人もいました。

母42歳、子10歳。

母43歳、子11歳。

母44歳、子12歳。

母45歳、子13歳……。

毎年の年齢を、延々と書き出していくのです。

 

私は思わず、

「おいおい、そんなん答え出るのに何年かかるんや」

と突っ込みました。

すると、その子は少し気まずそうな顔をしていました。

そこで、

「線分図っちゅうもんを書いたら、楽ちんやで」

と言って、図を書いて見せました。

ところが、その子はまだ、

「……?」

という顔をしている。

ここで私は思うのです。

この子は、算数が苦手なのではありません。

答えまで徒歩で行っていただけです。

算数が苦手ではなく、解き方が遠回りなのかもしれない

その子は、何も分かっていないわけではありません。

母親も子どもも、毎年一つずつ年を取る。

そこは理解しています。

計算もできます。

答えを出そうともしています。

ただ、使っている方法が遠回りなのです。

 

それを全部まとめて、

「この子は算数が苦手」

としてしまうのは、少し大きすぎます。

苦手なのは算数ではなく、

図を使って整理すること

かもしれません。

楽な方法も、慣れるまでは楽に見えない

こちらは、

「線分図を書いた方が早いやん」

と思います。

でも、図を書く習慣がない子にとっては、その線分図自体が新しい作業です。

だから、教えてもすぐには、

「なるほど、こっちの方が楽や」

とはなりません。

 

一度説明を聞いて分かることと、自分で使えることは別です。

線分図を知っている。

でも、次の問題で自分から線分図を使わない。

これは珍しいことではありません。

ここが、私は塾の弱点だと思います

授業では、次々と問題を解説しなければなりません。

線分図を一度教えたら、次の問題へ進む。

 

その場では分かっても、子どもが自分から図を書くようになるまで、何度も練習させる時間はなかなか取れません。

先生が悪いという話ではありません。

授業というものの、弱点です。

塾は解き方を教えてくれます。

でも、その解き方を習慣にするところまでは、授業だけでは届かないことがあります。

正解したかより、どうやって解いたかを見る

子どもが「算数は苦手」と言ったら、正解と不正解だけでなく、ノートを見てみてください。

どんな式を書いているのか。

図を使っているのか。

同じことを何度も書き出していないか。

もし、母42、子10から延々と年齢を書いていたら、

「やっぱり算数が苦手なんだ」

ではなく、

「お、答えまで徒歩で行ってるな」

と見てあげればいい。

 

必要なのは、算数全部のやり直しではありません。

次の問題で、最初の一本を自分で書く練習です。

子どもの苦手は、能力ではなく、まだ使い慣れていない方法の中に隠れていることがあります。


算数文章題を、図で考える習慣へ

算数文章題のオンライン個別レッスンでは、解説を聞いて終わるのではなく、子ども自身が図を書き、考え始めるところを大切にしています。

「分かった」を「自分で使える」に変えるための5回の個別レッスンです。

→ 算数文章題を克服するための5回の個別レッスン


関連記事

→ 計算はできるのに文章題が解けない。その理由を考える

→ 苦手は、これから点数に変わる伸びしろです

→ 「勉強の進め方がわからない」の記事を探す

→ 中学受験 親の判断室トップへ戻る


この記事を書いた人|ミスター・ツカム

中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。

→ ミスター・ツカムのプロフィールを見る