受験生を持つ親御さんたちは全員と言ってもいいほど、
お子さんにイライラしてしまします。

中学受験生は小学4年~6年生が多く、まだまだ子どもなのですが、
毎日生活を共にしているとどうしても欠点が目につきイライラしてしまいます。

この記事では、イライラする原因を心理学的なアプローチから見ていきましょう。

そして、イライラしているときの脳の状態も確認して、
それを解消する方法もお伝えしたいと思います。

 

子どもが勉強しないでイライラするとき

「こんな時期なのに、やる氣を失ってしまった」
「いまだに、私が促さないと塾の宿題すらしない」
「いつまでも、生活がダラダラとしている」…いろいろありますね。

入試本番直前の6年生だけでなく4年生や5年生にも言えることですね。
でも、ここで氣をつけて欲しいことがあります。

●「正しさ」は人を傷つけることが多い…ということです。

『…べきだ。』『…ねばならない。』と注意したくなりますよね。

「あと3ヶ月だから、もっとやる氣をだすべきよ」
「もっと受験生らしくしなさい」

いえ、もう何度も爆弾を落としていらっしゃる方もいる(笑)

笑い事じゃないんです。
子供に対して言いすぎてしまったことで、後で自己嫌悪におちいる。
お子さんも、できたらそうありたいと思っているはず。
でも、出来ていない…ということは自覚しています。

そこへ、親からの「正しさ」爆弾!「正しさ」はナイフのように心をえぐります。

 

カウンセリングの立場からお話しますね。

ここはグッと「正しさ」で諭したいのをガマンしましょう。

お子さんの出来ていないことを「受け入れ」てみましょう。
そして、お子さんの話を聞いてください。

●最後の追い込みなのに、調子がでていないみたいけど大丈夫?
●今ちょっとパワーダウンしてる?
●正樹らしくないねえ。

 

何か答えやすい質問をしてあげてください。
受験勉強で今辛いことや、プレッシャーがかかっていることを、
話してくれるかもしれません。

 

それで、話してくれた後、これもとっても重要なんですが、

★解決してあげようと思わないこと。

 

つまり「それは、こう考えてこうすればいいじゃない」…と、
また「正しさ」の押し売りになっちゃいます。

 

カウンセリングに、
「良いカウンセリング」「悪いカウンセリング」はないのですが、

話を聞いている方が、「ああ、どうしてあげることも出来ないなあ
…と「無力感」を感じることができたら、

相手は心を開いて話してくれたという目安です。
そこまでいったら、お子さんの氣持ちも少しは、楽になっていくでしょう。

子どもがイライラしているときの脳内では

まず、このセクションでは脳内神経物質から「イライラ」の状態をアプローチをします。

中学受験イライラ

最近、
お子さんが以下ような状態になりやすくないですか?

元気が出ない。
疲れやすい。
感情の起伏が大きい。
イライラすることが多い。

当てはまる方は、このお話はしっかりと読んでくださいね。

脳内の話をします。
脳内ホルモンで、やる気に関わる3つの物質があります。

●ドーパミン
●ノルアドレナリン
●セロトニン

この3つです。ドーパミンが分泌されると興奮状態になります。何かの刺激でお子さんが一時的に、
「よっしゃやったるでー」・・・と言う興奮状態になる時ですね。

ノルアドレナリンが出る時は、とても不安な状況になっているときです。不安物質ともいわれます。
「やばい、このままだと不合格になっちまう」・・・という状況の時にもやる気は出てきますよね。

 

心理学でやる気の定義として、
●「痛み」を避けて「快楽」を得るために、人間は行動する。
と言われています。

これは脳内ホルモンからも言えることなんです。
「やる気」を心理学的観点から解説しているお勧め記事じはコチラ
→ 中学受験 やる気がないときの3つのチェックポイント

 

さて、もうひとつの脳内物質、セロトニンはどんな働きをしているのでしょう?

セロトニンは、興奮と不安のバランスをとり心の状態を中庸に保つホルモンです。

●リラクゼーションホルモンともいわれています。

これは受験生には聞き捨てならない情報ですね。(笑)

ですから、
元気が出ない。
疲れやすい。
感情の起伏が大きい。
イライラすることが多い。

こういう状態の多い人は、
このセロトニンが不足していると考えられます。

だから、入試本番が近づくと、
この様な感情になることが多いですね。

セロトニンを活性化して、
感情や情緒を安定させるにはどうするかが、
重要なポイントとなってきます。

 

では、その方法をお伝えしますね。

・太陽の光を浴びる。

お日様の光は体内時計をリセットしセロトニンの働きを活性化させます。

・運動をする。

ある一定のリズムでの歩行やジョギングがいいです。

・よく噛んでゆっくり食べる。

セロトニンを創り出す物質はトリプトファンというアミノ酸に含まれる物質です。
大豆製品からよく摂れます。(ミスター・ツカムの大好物、豆腐や納豆がいいですね)

特に休息の時間・日をしっかり決めて、
天気の良い日に散歩するのが気分転換で良いでしょう。

受験生活が長くなり、テストや模試の結果にばかり意識がいってしまうと、
考えや見解が極端に狭くなってきます。

ほんの少し意識して、いい加減になってみましょう。

いい加減 = 良い加減 ですよ。

 

親である母親がイライラするときの考え方

母親のあなた以上に、
中学受験というチャレンジを続けているお子さんも、
イライラしてとても不安な状況にあるということを理解してあげてくださいね。

そして、あなたが感じている以上に、親子の感情は同期しています。
あなたのイライラが増幅すると、お子さんもそれにつられて増々イライラがつのっていくんです。

そんなときはできるだけ、お子さんをカウンセリングする気持ちになって、
お子さんの話を聞いてあげてください。

いえいえ、
普段から子どもの話はよく聞いているし、コミュニケーションも取れてますよ。
…と仰る方は多いのですが、

でも逆に、子供の立場からしたら
「お母さんは、僕の言うことを分ってくれない」とか、
「お父さんは、私のことを考えてくれていない」とか、感じているのかもしれませんよ。

 

「そんなことありえません。ちゃんと聴いています。
いろいろ教えてあげているのに反抗ばかりです」
…と、お感じじゃないですか?

では、カンタンな練習問題をやってみましょう。

もしお子さんが「もう受験するの、しんどいから辞めたいよう」
…と漏らしたら、どんな言葉をかけてあげますか?

 

ミスター・ツカムの予想ですけど、
おそらくご両親の対応は、以下のようなパターンになっていませんか?

 

(1)命令・脅迫タイプ

「やめるのはアナタの自由だけど、後で後悔してもしらないよ」
「急に結論出さないで、もっとよく考えてみなさい」

 

(2)説教・講義タイプ

「受験はこんなものなのよ。楽しいことばかりじゃないわ」
「この苦労を乗り越えて、合格の喜びがあるのよ」

(3)非難・侮辱タイプ

「アナタはいつもガマンが足りないのね」
「いつも弱音を吐いてばっかりね」

(4)診断・提案タイプ

「あともう少し頑張ってみて、結果を出したらどう?」
「今は成績が上がってないから、そんな気分になるのよ」

(5)同情・はげましタイプ

「そうよね。これだけ伸びないとネエ。イヤよね」
「今が一番辛い時。がんばろうよ」

(6)質問・尋問タイプ

「ええっ、そんなこといつから悩んでいたの?本気なの?」

(7)ごまかし・冗談タイプ

「じんせいーいろいろ、受験もいろいろ♪」
「ぱーーっつと、焼肉でも食いに行くか!」

どうでしょうか?
このいずれかのタイプで対応していませんか?

でもご両親は、本気でお子さんの言葉に耳をかたむけ、
力になってあげようとした言葉ですよね。

でも、お子さんは不快になり、心を遠ざける可能性があります。

なぜなのでしょう?

 

それはどうしてかというと、3つ理由があります。

 

■1■ 言葉の裏で、子供の感情や考えを否定している。

アドバイスしている言葉の裏で、
「あなたは間違っている」「あなたはまだ未熟だから」

…という意味が間接的に表現されています。

■2■ あなたの「正しさ」を押し付けている。

わたしの意見がすべて正しいのよ…がベースになっています。

■3■ 受け入れて欲しかったのに、否定されたような感じがした。

お子さんは、ご両親を心から信じています。

だからこそ、ほんとうの辛く・弱い氣持ちを打ち明けたのに、
それを叩かれたような感情です。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

心理カウンセリングの神様、カール・ロジャース博士は、
このように言っています。

★「まず、正そうとするな、わかろうとせよ」

 

上の7つのパターンは、いずれも早く解決してやろう。
…という考えがあります。

 

つまり、お子さんの悩みはあなたにとって、

・邪魔臭い
・いらいらする
・この問題から逃れたい
・相手の未熟さが許せない

…という理由があるのかもしれませんよね。

でも、受験をしていくに当たって悩みがない子なんて、存在するはずありません。
まず、これを大前提として考えてくださいね。

カウンセリングの基本中の基本は、

★相手の間違いを見つけて、自分の正しさで変えることじゃありません。

じっくり話を聞いてあげて、相手の辛さ・しんどさに共感してあげることが最も大事なのです。

心から「それは大変で解決することなかなか難しいねえ」と感じて上げれたら、
相手にもそれが伝わり、心は少し落ち着き、
自ら行動すべきことを見つけ出すかもしれません。

 

でも、なかなか実践するのは難しいですよ。
ミスター・ツカムも誰かから相談があったりして、
話すときに「正しさ」を押し付けてしますこと多いです。

でも、それに気づいて「ああ、いけない!正しさ爆弾落としてしまった」
…と自覚があるだけましなのかもしれませんね。

最後にオマケですが、
もしどうしてもお子さんへの愚痴をぶちまけたくなったら、
本人に言わないで、ここのコメント欄に書いてください。

すべてにお返事できるかわかりませんが、とりあえずスッキリはしますよ。

中学受験イライラ

【お勧めの本】
感情的にならない気持ちの整理術」和田秀樹