模試の結果が返ってきた。
思っていたより悪かった。
子どもは無口。
帰りの電車でも、ほとんどしゃべらない。
家に帰っても元気がない。
そんなとき、親としては何か言ってあげたくなりますよね。
「次があるよ」
「今回はたまたまだよ」
「もっと頑張れば大丈夫」
「そんなに落ち込まなくてもいいよ」
どれも、子どもを元気にしてあげたい気持ちから出る言葉です。
でも私は、励ますより先にしてほしいことがあると思っています。
まず「残念だったね」と同じ場所に立つ
子どもが一生懸命勉強した。
でも結果が出なかった。
だったら、まずは、
「頑張ったのに残念だったね」
でいいと思います。
「悔しかったよね」
「思ってた点数じゃなかったな」
それくらいでいい。
すぐに前向きにさせようとしない。
まずは、子どもが今感じている悔しさや残念な気持ちに寄り添う。
私は、ここがかなり大事だと思っています。
落ち込んでいるときに、すぐ未来の話をしなくていい
大人でも同じですよね。
仕事で失敗した。
かなり準備したのに、うまくいかなかった。
そんな直後に、
「次があるよ」
「気持ち切り替えて」
と言われても、
いや、今はちょっと残念がらせてくれ
と思うことがあります。
子どもも同じです。
模試が悪かった。
悔しい。
自分でもショックを受けている。
そのときに、
「次はどうする?」
「どこを直す?」
「もっと頑張らないと」
と、すぐ次の話を始めなくてもいい。
過去の結果は、もう変えられません。
だからまず、
今の気持ちをそのまま受け止める。
私は、その順番でいいと思っています。
私自身、母のひと言を今でも覚えています
私自身、中学受験生だった頃、予想外に悪い成績を取ったことがあります。
そのとき、母は笑いながら、
「まあ、こんな時もあるわな」
と言いました。
私は、この言葉がすごく嬉しかったことを今でも覚えています。
叱られなかった。
原因分析もされなかった。
「次は頑張りなさい」とも言われなかった。
ただ、
「こんな時もある」
と受け止めてもらえた。
それだけで、ずいぶん気持ちが軽くなりました。
今振り返ると、あのとき母は、無理に私を励ましたわけではありません。
でも、
落ち込んでいる自分を、そのまま認めてもらえた。
だから嬉しかったのだと思います。
親も本当に「残念だったな」と思えばいい
ここで大事なのは、形だけの言葉ではないと思います。
「残念だったね」と言いながら、
心の中では、
「だから言ったじゃない」
「もっとやっておけばよかったのに」
と思っていたら、子どもには案外伝わります。
だから私は、
親も一緒に残念がっていい
と思っています。
「頑張ってたの知ってるから、私も残念やわ」
そんな気持ちでいい。
親が同じ場所に立ってくれたと感じると、
子どもは少し安心するかもしれません。
「分かってもらえた」
と思える。
それだけでも違います。
落ち込むことを悪いことにしない
模試が悪くて落ち込む。
私は、それ自体は悪いことではないと思っています。
頑張ったから悔しい。
期待していたから残念。
それだけです。
むしろ、
「落ち込まないで」
「気持ち切り替えて」
と急いで戻そうとすると、
子どもは、
落ち込んでいる自分までダメなのかな
と思うかもしれません。
落ち込む日があっていい。
悔しい日があっていい。
私は、そう思っています。
数日たってから、少しだけ前を向けばいい
気持ちは、その日のうちに片づけなくてもいいです。
一晩寝る。
次の日を過ごす。
少し時間がたつ。
すると、
最初のショックほどではなくなることがあります。
そのタイミングで、
「今回、どこで取れなかったんやろな」
と一緒に見る。
そこで初めて、
次の話をすればいい。
私は、
気持ちの整理と、勉強の分析を同時にやらなくていい
と思っています。
まず気持ち。
そのあと勉強。
順番です。
親が元気に戻そうとしすぎなくていい
親はどうしても、
「早く立ち直ってほしい」
と思います。
でも、元気になる速さまで親が管理する必要はありません。
今日落ち込んでいる。
明日も少し元気がない。
でも、そのうち、
「まあ、またちょっとやるか」
となるかもしれません。
それでいいと思います。
無理にやる気を出させなくてもいい。
無理に前向きにさせなくてもいい。
分かってもらえたという感覚があれば、子どもは少しずつ自分で戻ってくることがあります。
親の役割は、すぐ元気にすることではない
私は、親の役割は、
子どもをいつも前向きにしておくこと
ではないと思っています。
落ち込む日もある。
やる気がない日もある。
悔しくて話したくない日もある。
そんなときに、
すぐ引っ張り上げようとするのではなく、
「残念だったな」
と隣にいる。
私は、その方が大事だと思っています。
そして、少し時間がたって、
また前を向けそうなときに、
「じゃあ次、どうしよか」
でいい。
中学受験は長いです。
だからこそ、
落ち込まない子にすることより、落ち込んだときに一人にしないこと。
私は、そちらを大事にしたいです。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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