模試でD判定やE判定が出た。
このまま第一志望を目指してもいいのか。
それとも、そろそろ現実を見て志望校を下げるべきなのか。
秋以降、この判断に迷う親御さんは多いと思います。
私は、模試の判定だけを見て決める話ではないと思っています。
一度、
そもそも、なぜ中学受験をしようと決めたのか。
そこまで遡って考えてみてください。
「公立中学には行きたくない」から始めた場合
中学受験を始めた理由が、
「地元の公立中学には行きたくない」
「できれば私立中学へ進ませたい」
というものだった家庭もあるでしょう。
この場合は、無理に特定の学校へこだわる必要はありません。
現在の学力で合格の可能性があり、校風や通学時間なども含めて、わが子に一番合う学校を選べばいい。
これは、志望校を下げることではありません。
そもそも学校は、偏差値の階段に並んでいるわけではありません。
偏差値が高ければ上。
低ければ下。
そんな単純な話でもないでしょう。
その子が実際に通うことを考えて、今の選択肢の中から一番よい学校を選ぶ。
それなら、「上げる」「下げる」という言葉自体が必要ないのです。
「どうしてもこの学校に行きたい」から始めた場合
一方で、
「どうしても、この学校に行きたい」
という憧れから受験を始めた家庭もあります。
文化祭へ行った。
学校説明会で気に入った。
制服に憧れた。
クラブ活動を見て、ここに入りたいと思った。
この場合は、話が変わります。
模試の判定が悪いからといって、その学校を受けなければ、中学受験を始めた目的そのものが消えてしまいます。
どうしても行きたいのなら、私は玉砕覚悟で受けてもいいと思います。
もちろん、何も考えずに突っ込めという話ではありません。
合格する可能性が低いことも理解する。
それでも、最後まで目指してみたい。
その気持ちがあるなら、挑戦すればいい。
受験には、そういう学校が一校あってもいいと思います。
憧れの学校は、親の「洗脳」で生まれたのかもしれない
ただし、ここで親は一度考えておく必要があります。
その「憧れの学校」は、本当に子どもが自分一人で見つけたのでしょうか。
小学生が、ある日突然、学校情報を調べて、
「私はこの学校の教育理念に共感しました」
と言い出すことは、あまりありません。
最初に学校を見つけたのは、親だった。
学校説明会へ連れて行ったのも親だった。
「ここ、ええんちゃう?」
「この学校に入れたらいいね」
と話したのも親だった。
そうやって、子どもの中に「この学校へ行きたい」という気持ちが育っていった家庭も多いでしょう。
悪く言えば、親の洗脳です。
まあ、中学受験の志望校なんて、多少は親の洗脳が入っているものです。
それ自体が悪いとは思いません。
ただ、親が一緒に育てた憧れなのに、模試の判定が悪くなった途端、
「もう無理だから諦めなさい」
と親だけ先に降りるのは、少し違うと思うのです。
挑戦するなら、親子三者で確認する
第一志望を変えずに受験するなら、本人と両親の三者で話しておきましょう。
合格する可能性は高くない。
それでも挑戦したいのか。
結果がどうなっても、最後まで目指してみたいのか。
お父さんとお母さんも、その挑戦を応援できるのか。
ここを曖昧にしたまま受験すると、不合格だったときに誰かのせいになります。
「塾が受けてもいいと言ったから」
「お母さんが勧めたから」
「本人がどうしても受けたいと言ったから」
それでは、少し寂しい。
三者で、
「難しいことは分かっている。それでも、この学校を受けよう」
と決めておく。
そのうえで挑戦するなら、結果にかかわらず、その受験には意味があると思います。
併願校は「受かりそうな学校」ではなく「通いたい学校」
第一志望へ挑戦するなら、併願校は慎重に選びます。
合格可能性が高い学校の中から、
合格したら本当に通ってもいいと思える、一番よい学校
を探してください。
単なる滑り止めではありません。
第一志望が夢を追う学校なら、併願校は現実を安心して任せられる学校です。
第一志望は、玉砕覚悟で挑戦する。
その代わり、併願校は「ここなら楽しく通えそう」と思える学校を選んでおく。
この二つがそろっていれば、模試がD判定やE判定だからという理由だけで、第一志望を下げなくてもいいのではないでしょうか。
志望校を下げる前に、最初の目的へ戻る
模試の判定は、大切な判断材料です。
ただし、模試が家庭の目的まで決めてくれるわけではありません。
公立中学への進学を避けるために受験を始めたのなら、現在の選択肢から一番よい学校を選ぶ。
どうしても行きたい学校を目指して始めたのなら、家族が納得したうえで最後まで挑戦する。
判断が分かれるのは、偏差値ではありません。
そもそも、何のために中学受験を始めたのか。
志望校を下げようかと迷ったときこそ、そこへ戻ってみてください。
模試の判定表より前に、家庭の出発点を見る。
私は、それから決めても遅くないと思います。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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