塾の予定を確認する。
宿題が終わったかを見る。
模試の結果を気にする。
先生からの連絡を読み、子どもの機嫌まで気にする。
その横で、夫はいつも通りテレビを見ている。
「どうして私ばっかり?」
そう思う日もありますよね。
私は、夫婦の受験への熱量を無理にそろえなくてもいいと思います。
ただし、その前に分けて考えたいことがあります。
「私ばっかり仕事をしている」のか。
「私ばっかり受験を気にしている」のか。
似ていますが、親が取るべき行動は違います。
送迎も連絡も私ばかり。それは分担したい
土日の送迎は私。
塾からの連絡を読むのも私。
プリントの整理も、家事も私。
それなら「夫婦の温度差」として片づけなくていいと思います。実際の仕事が偏っています。
「もっと受験に関心を持ってよ」と言うより、
「土曜の送迎をお願いしたい」
「塾からの連絡は、今週からあなたも確認してほしい」
と、仕事を一つ具体的に渡す。
母親が倒れたら受験が回らない、という状態を、そのままにしなくていいのです。
仕事を分けても、夫の反応が薄いなら?
送迎はしてくれる。
家事も分担してくれる。
でも模試の結果を見せると、
「まあ、次がんばったらいいんじゃない?」
それだけ。
「いや、もう少し心配してよ」と思うかもしれません。
ここで一度、逆から考えてみませんか。
夫もあなたと同じくらい心配したら、家の中はどうなるでしょう。
模試の結果が悪かった。
母親が焦る。
夫も焦る。
宿題が終わっていない。
母親が「早くしなさい」と言う。
夫も「まだ終わってないのか」と言う。
子どもからすると、家の中に受験から少し離れて話せる大人がいなくなります。
もちろん、夫婦で同じ熱量を持つとうまくいく家庭もあります。
でも、違う温度の大人が一人いることも、子どもには助けになるかもしれません。
昔の「まあまあ」と言ってくれるおばあちゃん
子どもが親に叱られて、しょんぼりしている。
そこへおばあちゃんが来て、
「まあまあ。そんなに怒らんでもええやないの」
と言ってくれる。
おばあちゃんまで一緒に叱っていたら、子どもに逃げ場がありません。
おばあちゃんが教育に無関心だったわけではないでしょう。
親とは少し違う温度で、子どもを見ていたのだと思います。
中学受験の家庭にも、そんな大人がいていい。
模試が悪くても、いつも通り子どもと話せる。
受験と関係ない話で笑える。
親子で煮詰まったときに、
「今日はもう、勉強やめたら?」
と言える。
それは、その人が受験を軽く見ているからとは限りません。家庭の中で、別の役割を果たしているのかもしれません。
温度差をなくす前に、使えるか考える
「夫にも私と同じくらい真剣になってほしい」
その気持ちは分かります。
でも私は、夫婦の温度差をなくす前に、その違いが子どもにとってプラスになる場面はないかを考えてみたいのです。
一方で、ここは大切です。
夫が受験に詳しくないことと、母親一人に仕事を押しつけることは別です。
送迎や連絡の確認、家事などが偏っているなら、そこは分担する。
そのうえで残る心配の仕方まで、同じにしなくていい。
「私ばっかり」と感じたら、まず自分に聞いてみてください。
私は今、仕事を分けてほしいのか。気持ちを分かってほしいのか。
仕事を分けてほしいなら、一つ具体的に頼む。
気持ちを聞いてほしいなら、「今、模試の結果が心配でさ」と話す。
そして、夫がいつも通り子どもに接しているなら、その温度が家庭のクッションになっていないかも見てみる。
夫婦の違いを、全部なくさなくてもいい。
私はそう思います。
もちろん、母親と父親の役割が逆の家庭もあります。大事なのは、家庭の中に少し違う温度で子どもを見られる大人がいることです。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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