志望校の過去問を解いたら、合格最低点に届かなかった。
点数を見た瞬間、親の頭にはいろいろな考えが浮かびます。
「この学校、本当に受けて大丈夫?」
「志望校を考え直した方がいいのかな」
「もっと勉強させないといけないのでは?」
でも、その日の点数だけで、受験校を決めたり、子どもの力を判断したりするのは早いと思います。
過去問は、合格できるかどうかを判定するだけのものではありません。志望校の問題を知り、次に何をすればいいかを考えるための材料でもあります。
最初に、親まで深刻になりすぎない
ある子が志望校の過去問を解いて、合格最低点に届かなかったときのことです。
私は、あまり深刻な顔をせずに、こう言いました。
「かなりの難敵やな。君がやってるゲームで言うたら、どんな感じや?」
すると、子どもはゲームの話を始めました。
「ラスボス級やな」
「今のレベルでは無理」
「もうちょっと装備がいる」
さっきまで「合格最低点に届かなかった」という重たい話だったのが、「どうやったら倒せるか」という話に変わっていきました。
半分冗談で、こんなことも言いました。
「ほな、この学校の攻略本を作ったらどうや!」
過去問を解くのは、志望校の問題の出方や、自分がつまずくところを知ることです。そう考えると、過去問は攻略本を作るための材料とも言えます。
点数だけでなく、取れなかった理由を見る
もちろん、点数を気にしなくていいという意味ではありません。
合格最低点まで30点足りなかったなら、その30点を見ます。ただし、「30点足りなかった」で終わらせず、何を落とした30点なのかを分けて考えます。
- 計算ミスや読み違いで落とした点
- 覚えていれば取れた知識問題
- 時間が足りず、手をつけられなかった問題
- 今の段階では、まだ難しい問題
同じ30点差でも、中身は違います。次の勉強で取り戻しやすい点もあれば、すぐには難しい点もあります。
まずは答案を見ながら、「次はどの点を取りにいくか」を一つ決めてみてください。全部を一度に直そうとしなくても、次に取りたい5点が見つかれば、それも立派な攻略です。
初めての結果を、入試本番の結果にしない
初めて解いた過去問で点数が取れなかったとき、親も子も、その結果を本番の予告のように受け止めてしまいがちです。
でも、それはあくまで、その日に解いた一回分の結果です。
どんな問題が出るのか。
どこに時間がかかったのか。
どの問題なら取れそうなのか。
一度解いたことで、初めて分かることがあります。次の年度を解けば、また別のことが見えてきます。
過去問を解くたびに気づいたことを書き足していけば、自分だけの「志望校攻略本」ができていきます。
志望校をどうするかは、一回の点数だけで決めず、複数回の過去問や模試の結果、残された時間も合わせて考えてください。判断に迷うときは、塾の先生にも答案を見てもらい、点数の内訳や今後の見通しを確認しましょう。
親は、次の作戦を考えられる空気を残す
採点をしている親の表情は、子どもによく伝わります。
点数を見たときに「えっ……」と顔が曇ったり、その後に黙り込んだりすれば、子どもも不安になります。親が焦るのは当然です。心の中で「うわ、30点も足りない」と思ってもかまいません。
ただ、その場で親子そろってゲームオーバーにしないことです。
「難敵やな」
「どこでやられた?」
「次はどうする?」
そんな会話ができれば、点数を次の作戦につなげられます。
過去問は、攻略の途中です
過去問で合格最低点に届かなかったとき、まず答案を見て、取れなかった理由を分けてみてください。そして、次に取りにいく点を一つ決める。
「合格できるか、できないか」だけでなく、攻略本に何を書き足すか。そういう見方も、過去問にはあっていいと思います。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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