中学受験では、親が手伝う場面がたくさんあります。
プリントを整理する。
問題をコピーする。
塾への送迎をする。
スケジュールを確認する。
では、どこまで親がやって、どこから子どもに任せればいいのでしょうか。
私は、中学受験を親子で乗るアトラクションのように考えてみてもいいと思っています。
もちろん、入試は遊びではありません。受験勉強が大変なことも、親子で真剣に向き合うことも変わりません。
ただ、子どもが自分で乗り込んで、自分で体験する部分まで親が全部引き受けてしまうと、子ども自身の経験が薄くなってしまいます。
ジョーズの怖さを、親が全部消してしまったら
USJの「ジョーズ」に乗るとします。
子どもが「怖いけど乗ってみたい」と言っているのに、親がずっと目隠しをして、怖い場面を全部見せないようにしたらどうでしょう。
たしかに、怖さは減るかもしれません。
でも、子どもが体験するはずだった「怖かったけど乗れた!」という達成感まで、なくなってしまいます。
親が手伝うことは、子どもの体験を取り上げることではありません。
チケットを用意する。
荷物を持つ。
行き方を調べる。
そういう準備を親がしても、乗るのは子どもです。怖さやドキドキ、乗り終えたときの気持ちは、子ども自身のものです。
親は「裏方」を手伝い、子どもは「本番」を体験する
中学受験にも、親が担える裏方の仕事があります。
プリントを科目ごとに整理する。
必要な問題をコピーする。
勉強する時間や場所を整える。
塾との連絡や送迎をする。
こうした準備を親が手伝えば、子どもが勉強に取り組みやすくなります。
一方で、問題を読んで考えること、分からないところで立ち止まること、間違いから次の作戦を考えることは、子ども自身が経験する部分です。
親が先回りして答えを教えたり、つまずく前に全部解決したりすると、子どもが「自分で分かった」「前よりできた」と感じる機会まで減ってしまうことがあります。
親は、勉強を全部代わりに進める人ではありません。子どもが自分で取り組めるように、周りを整える人でもあります。
「手伝わない」と「手伝いすぎない」は違う
子どもに任せると言っても、何もかも一人でやらせればいいわけではありません。
学年や性格、そのときの状況によって、必要な助けは違います。プリントの管理が難しい子もいれば、予定を一緒に確認してもらうことで落ち着いて勉強できる子もいます。
大事なのは、親が手伝うときに、
これは子どもが自分で体験する部分なのか。それとも、子どもが取り組めるように親が整える部分なのか。
と考えてみることです。
親が準備を手伝うのは、子どもの力を奪うことではありません。子どもが自分で挑戦できるように、舞台を整えることです。
親子で受験のアトラクションに乗る
中学受験の中には、親がやった方がいいこともあります。子どもに任せた方がいいこともあります。
全部を親が抱え込む必要はありません。かといって、子どもに全部背負わせる必要もありません。
親は裏方として準備を手伝う。子どもは、自分が取り組む勉強や問題に向き合う。
そして、うまくいったときには、子ども自身が「自分でやれた」と感じられる余地を残しておく。
中学受験を、親が子どもを乗せて運ぶだけのものではなく、親子で準備し、子どもが自分で体験するアトラクションとして考えてみる。
そんな関わり方もあっていいと思います。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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