「どうせ落ちるし」

「もう無理やと思う」

「受かる気がしない」

子どもからこんなことを言われると、親は慌てます。

 

「そんなことないよ」

「絶対に受かるよ」

何とか前向きにさせようと、励ましたくなるでしょう。

でも、本当に合格するかどうかは、親にも分かりません。

私は、無理に「絶対受かる」と言わなくてもいいと思っています。

子どもは合否予想を聞いているのでしょうか

「どうせ落ちる」

この言葉をそのまま受け取ると、子どもが合否を予想しているように見えます。

でも私は、合否を知りたいというより、

今の不安を分かってほしい

と言っているのだと思います。

 

過去問で点が取れなかった。

模試の判定が悪かった。

周りの子が、自分よりできているように見えた。

そんな不安が重なって、

「どうせ落ちる」

という言葉になって出てきたのでしょう。

 

そこへ親が、

「絶対受かるよ」

と反対の予想を返しても、話がかみ合いません。

子どもも心の中では、

「なんで分かるの?」

と思うでしょう。

まず「そら、不安になるよな」でいい

私なら、最初にこう言います。

「そら、不安になるよな」

「今日の点数を見たら、そう思うわな」

不安を慌てて消そうとしません。

 

親まで一緒に落ち込む必要はありませんが、まず子どもと同じ場所に立つ。

「絶対大丈夫」

と未来を保証するより、

「今は不安なんやな」

と分かってもらえる方が、子どもの気持ちは落ち着くことがあります。

過去の事実を一つ、次の行動を一つ

そのあとで、過去の事実を一つだけ出します。

 

たとえば算数なら、

「割合の問題、前はほとんど分からなかったやろ。でも今は基本問題なら解けるようになったな」

国語なら、

「記述問題、前は空欄が多かったけど、最近は最後まで書けるようになったな」

何でも構いません。

ただし、十個も並べなくていい。

 

親が必死に励まそうとしていることが、子どもにも分かってしまいます。

一つか二つで十分です。

親が出せるのは、未来の保証書ではありません。

ここまで歩いてきた証拠です。

もちろん、現状が厳しいことまで否定する必要はありません。

過去問が合格最低点に届いていないなら、

「今のままで安心とは言わへん」

と伝えてもいいでしょう。

そのうえで、

「でも、前よりできるようになったところもある。次は何を一つ直そうか」

と、今日できることへ戻します。

 

計算問題を三問解く。

今日間違えた問題を一問だけ見直す。

理科の暗記事項を五つ確認する。

合否はまだ未来の話です。

でも、今日することなら決められます。

何度も「どうせ落ちる」と言う場合は?

模試や過去問が悪かった日に、一度弱気になる。

それなら、少し休めば翌日には戻ることもあります。

 

ただし、

毎日のように「どうせ落ちる」と言う。

勉強へ向かえなくなっている。

「もう受験をやめたい」と繰り返す。

そんな状態なら、励まし方だけの問題ではないかもしれません。

 

宿題が多すぎないか。

志望校が重荷になっていないか。

塾で困っていることはないか。

言葉だけを前向きに変えようとせず、子どもを苦しくしているものを見直した方がよいと思います。

「絶対受かる」以外にも、親が言えることはある

子どもが「どうせ落ちる」と言ったら、

「そら、不安になるよな」

と、まず受け止める。

次に、

「でも、これは前よりできるようになったな」

と、積み重ねてきた事実を一つ見せる。

 

そして、

「では、今日は何を一つする?」

と、今日へ戻す。

未来の合否は、まだ誰にも分かりません。

だから無理に、明るい未来を保証しなくてもいい。

「絶対受かる」ではなく、

「ここまでは、ちゃんと進んできたで」

私は、そんな言葉でもいいと思います。


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この記事を書いた人|ミスター・ツカム

中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。

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