中学受験 親の役割とメンタル

中学受験は親の受験だとよく言われます。

受験するお子さんはまだ10歳とか11歳の年齢です。
まだまだスケジュールや体調を管理してあげなければなりません。
ときには親御さんが先生の代わりになって教えることもあるでしょう。

しかしながら、問題も多く生じてきます。

塾の送迎などの時間もあり、
受験をしないお子さんよりも、関わる時間が長くなっていきます。
当然お子さんの至らないところ、学習で理解できないところなどが目立ってきます。
良かれと思って色々とアドバイスをするのですが、
まだまだ、お子さんは至らぬところばかりで完璧になどできるはずがありません。
親身になってアドバイスをしてあげているという気持ちの親御さんと、
思うようにできないお子さんとのあいだで、いざこざや喧嘩などが多く起こってきます。
このイライラする感情を、
どのようにプラスに持っていき合格に導くのかが、
親御さんの大きな役割になるでしょう。この記事では、親から子どもへの言葉かけや態度について、
いろいろな場面での接し方を考えてみることにしましょう。

落ち込んだ時ほど親の言葉は大切になる

お子さんが真剣に努力すればするほど、
結果が伴わないときの落ち込みは可哀そうなぐらいです。

そんな時にかけてあげる言葉はとても難しく辛いものです。

ここでは、私が感動して納得した名監督のお話をお伝えします。

小出義雄さん。(写真Wikipediaより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスリート界の名物指導者が2019年になくなりましたね。
→ 朝日新聞ニュースより

有森選手やQちゃんこと高橋選手をメダリストに育て上げた小出義雄さん。
褒めて選手を伸ばすなど、従来にない指導法で注目を集めました。

有森選手や高橋選手の涙のコメントがとても印象的でしたね。
ミスター・ツカムが特に感動したのは有森選手の話です。

 

監督からよく言われたこと。
「なんで?と思うな。せっかくと思え」というアドバイスです。

有森選手は現役の頃よく故障や怪我をしたそうです。
アスリートにとって故障や怪我は、練習メニューも遅れることだし、
目標から遠ざかるとてもショックなことです。

 

なんで私が?なんでこんな時期に?…と嘆き、心いため、
どーんと落ち込むのは仕方ないことです。

 

そんな時に、
小出監督は、「なんで」と思わずに「せっかく」と思えと指導しました。

なんで?
なんで?
…と思っていても状況を否定するばかりで、何の進歩もありませんよね。

 

同じ状況でも、せっかく怪我したんだから、
練習できない時間を筋肉について勉強しよう。とか

せっかく故障したんだから、故障しにくい体作りはどうしたらいいか研究しよう。

など、自分の知らない世界と向き合うことができるのです。

 

そうして得た知識や経験は、
どんなにそのアスリートの資産になっていくことでしょう。

小出監督はそのように選手を指導しました。

これは、
受験生活にも大いに応用できますね。

「なんでこの時期にこんな点数しか取れないんだ」
「今回の模試にかけていたのに、なんで?」
「第1志望絶対合格だったのに。何で不合格なんだ!」

受験生活をしていくと、何度も「なんで?」が出てきます。
そんな時に興奮して、意気消沈するよりも。

「せっかく」という発想ができれば、
それ以降どんな成長ができるでしょうね。

しかしながら、頭では理解できても感情は納得できませんよね?
人間ですからね。

完璧にできなくて大丈夫です。
こういう考え方・捉え方もあるんだということを理解しておくだけで、
何かの場面で役に立つときが訪れますので。

 

中学受験では親の言葉が子どものやる気にもつながる

中学受験生のお子さんにどのような言葉がけをするのが理想なのでしょうか?

ここでは、2つのアプローチをしたいと思います。
しかし、これらは受験生に対するものだけでなく、
すべての人間関係に言えることでもあります。

★してはいけない言葉がけ
★積極的に心がけたい言葉がけ

この2つです。
「してはいけない言葉がけ」は別記事の【親子関係を悪化させる5つの言葉】をお読みください。

では、「積極的に心がけたい言葉がけ」とはどんなものでしょう?

その前に「言葉」についてお伝えしたいことがあります。
世の中には「言葉」の使い方が上手く、
言葉を味方にして、実力以上のものを発揮している人や企業があります。
その紹介からさせてください。

●言葉は言霊(ことだま)…だっていうことはご存知ですよね?

発する言葉には「波動」があって、その波動と同じものを引き寄せるんです。

ですから心で「辛い」と感じても、
言葉で「辛い」と言っちゃあダメです。
より「辛い」現象があなたに近づいてきます。

 

そうは言っても、辛いものは辛いと言うじゃない…そう思う氣持ちごもっともです。

こんな話はどうでしょう。
日本を代表する製鉄会社の話です。

ここの工場内は、上司や部下、知り合いと出会った時は、
「ご安全に!」…という言葉を投げかけるそうです。

面白いですよね。

いや、この言葉にピーーン「なるほど」と思った人は、
かなりの「言葉の達人」ですよ。

普通だと工場内は危険があるので「事故に氣をつけてね」
…というような挨拶になります。

 

でも、
この製鉄会社は言葉の達人であり、「脳の構造」をよく理解しています。

★「欲しくない結果の否定形」でいうと逆効果になるんです。

 

「事故を起こさないように氣をつけてね」

「事故(欲しくない結果)を起こすな(否定)、だから氣をつけて」

このように言われると、
まず「事故を起こしているイメージ」が
先に脳にイメージされますよね。

そしてそれにフォーカスされてしまいます。事故が起こりやすくなります。

 

少し話はずれますが、「交通安全の御守り」ってありますね。

クルマの中にその御守りがいくつぶら下っているか?
それと事故にあう関係を調べた人がいたそうです。

結果は?

→ 御守りの数が多いほど、事故に遭う数も多かった。

「ぞぞーーーっ」たくさんぶら下げるということは、それだけ「事故」を意識している。

フォーカスって恐ろしいですね。

また別の話。お母さんは経験があると思います。

歩き始めて間もない幼児が、「飲み物の入ったコップ」を持って歩こうとしています。
お母さんはコップの中の飲み物がこぼれるのを心配してこう言います。

「こぼさないようにね」

 

 

 

子供は案の定、こぼしてしまいます。
お母さんは「ホラ!言わんこっちゃない!」…だから言わない方がいいのです(笑)。

子供は素直だから、「こぼす」ことに敏感にフォーカスしてしまいます。
もし、こぼされたくないのなら「まっすぐ歩いてきなさい」ですね。

 

ほんの小さなお子さんでも立派に言葉に「フォーカス」しているのです。

●言葉には氣をつけましょうね。

さてさて、
ここまでお話したらカンの良い方は氣づきましたね。

お子さんに対する言葉。

「計算間違いしないようにね」 → 「計算間違い」がインプット
「焦らないでやるのよ」 → 「焦るイメージ」がインプット
「苦手な科目は努力しなくっちゃあ」 → 「苦手な嫌なイメージ」が大増殖!!

こうやって冷静に考えている時は「そうそう!」と頷きます。

しかし、現場(笑)に出るとイライラして、つい出てしまいますね。
だから普段から、言葉に出して練習してください。

 

「落ち着いたら出来るからね」
「計算はゆっくり丁寧にね」
「あと10点増えたら、もう得意科目に入るね」

これは、たゆまない訓練が必要が普段からお子さんにかけてあげたい言葉です。

お子さんのために、ミスター・ツカムからのお願いです(笑)

 

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