中学受験も、いよいよ秋。
親はカレンダーを見るたびに、
「あと何日しかない」
と落ち着かなくなってきます。
ところが、子どもを見ると、いつもとあまり変わらない。
テレビを見て笑っている。
お菓子を食べながら、のんびりしている。
模試の結果が悪くても、次の日にはケロッとしている。
そんな姿を見ると、
「この子、本当に受験生の自覚あるんやろか」
「もう少し危機感を持ってくれへんかな」
と思いますよね。
でも私は、そんな子を見ると、
この子は将来、大物になるんちゃうかな
と思うんです。
これは、私の独断の見立てです。
危機感があっても、顔に出さない子
危機感がないように見える子にも、二つのタイプがいると思います。
まずは、本当は危機感があるけれど、それを表に出さない子。
心の中では、
「このままで大丈夫かな」
「落ちたらどうしよう」
と思っている。
でも、それを親にも周りにも見せず、いつもと変わらない顔をしている。
この子は、大物になりますね。
大会社の社長タイプかもしれません。
どんなに不安なことがあっても、周りには見せない。
自分の中で受け止めて、淡々としている。
12歳でそれができるなら、なかなかのものです。
平気な顔をしているからといって、本当に何も感じていないとは限りません。
その顔の奥で、自分なりに不安と付き合っているのかもしれません。
本当に危機感がない子
では、本当に危機感がない子はどうでしょう。
模試の結果が悪くても平気。
入試までの日数を聞いても平気。
親だけがソワソワしている横で、今日もマイペース。
この子も、大物になりますね。
たかが12歳の受験くらいで、まったく焦らない。
親の心配もどこ吹く風で、わが道を行く。
こちらは芸術家タイプです。
周りが焦っていても、自分まで一緒に焦るとは限らない。
みんなが同じ方向へ走り出しても、
「私はこっちへ行きます」
と、自分の感覚で進んでいく。
これも立派な才能だと、私は思います。
親は「焦った顔」が見たいのか
親が本当に望んでいるのは、子どもに不安になってほしいことではないはずです。
必要な勉強をしてほしい。
苦手なところを少しでも減らしてほしい。
本番まで、やるべきことを続けてほしい。
望んでいるのは、こちらですよね。
ところが親が焦ってくると、いつの間にか、
「もっと真剣な顔をしてほしい」
「結果を見て、少しくらい落ち込んでほしい」
「このままではまずいと感じてほしい」
と思うようになります。
でも、焦った顔をしたからといって、算数が一問解けるようになるわけではありません。
危機感そのものは、勉強ではないんです。
もし必要な勉強ができていないなら、今日やることを少し見直せばいい。
始めにくいなら、始めやすい量にする。
何をすればいいか分からないなら、一つに絞る。
直すのは行動です。
子どもの性格まで、無理に「受験生らしく」変える必要はありません。
受験をアトラクションだと思ってみる
私は中学受験を、半分冗談で、
ちょっと長めのアトラクション
だと思ってみてもいいのではないかと考えています。
模試が良くて上がる。
次の模試で下がる。
過去問ができなくて急降下する。
少し点が取れて、また上がる。
親子で、
「うわっ」
「今度はそっちへ曲がるんかい」
と言いながら進んでいく。
そんなアップダウンのあるアトラクションです。
受験を合格か不合格だけで見ると、子どもの態度は全部、心配の材料になります。
笑っていたら、
「危機感がない」
のんびりしていたら、
「本気ではない」
落ち込んでいたら、
「メンタルが弱い」
何をしていても、心配になってしまいます。
でも、アトラクションに乗っていると思って眺めてみると、
「この子、こんな時でも動じへんな」
「本当は不安なのに、顔に出さへんのやな」
「周りが焦っていても、自分のペースを守れるんやな」
と、点数とは別のものが見えてきます。
受験中だから見つかる、わが子の才能
受験では、追い込まれた時に、その子がどんな人なのかが見えることがあります。
不安を表に出さない子。
嫌なことがあっても、翌日にはケロッとしている子。
周りに流されず、自分のペースを守る子。
親がいくら焦っても、一緒には焦らない子。
普段なら気づかなかった性格や才能が、受験というアトラクションの途中で見えてくるんです。
「うちの子、危機感がなくて困る」
そう思った時は、少しだけ見方を変えてみてください。
本当は不安なのに表へ出さないなら、大会社の社長タイプ。
本当に何も焦っていないなら、わが道を行く芸術家タイプ。
どちらにしても、この子は大物になります。
せっかく親子で乗ったアトラクションです。
点数や偏差値だけでなく、隣に座っているわが子の面白さも、見つけて帰りませんか。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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