中学受験 算数の応用問題ができない、と相談をよく受けます。
…受験生の親御さんの悩みのひとつではないでしょうか?
私も多くのお子さんを教えていて、
問題を読むなり、パッタリと鉛筆が止まる子供を多く見てきました。
算数の応用力をつけるにはどうしたらいいのか?
そのことについて考えていきます。
きっかけは、あるお母さんからの悲痛な質問からでした。
Contents
あるお母さんから「応用問題が解けない」との相談
私、ミスター・ツカム宛に
多くいただく相談をシェアしたいと思います。
算数の応用問題にかんする質問です。
どなたでも一度は経験するのではないでしょうか?
「算数の応用問題が苦手です」
「応用問題の解き方がまったくわかってないみたいです」
…などなど。
これは算数だけではなく、
理科の「物理化学分野」でも言えることですね。
では、ご質問者の内容は以下です。
短い文章ですが、
わが子に「算数の応用力をつけてほしい」
…という気持ちが伝わってきます。
——(ここから)——————————
小学5年生の息子は、暗記は得意なのですが、
応用問題が不得意です。
特に算数の応用問題は難しいらしく、
考えている途中でこんがらがってしまい、
なかなか解けません。
応用問題に強くなるコツがあれば教えてください。
————————–(ここまで)———–
算数の応用力をつけるに必要なこととは?
質問に登場するお子さん、
暗記が得意な子に多くみられるかもしれませんね。
記憶が得意だから、
全部アタマの中で考えてしまう傾向があります。
アタマの良い子ですね。
母親は、わかりやすい問題集を試したり、
塾を替えたり家庭教師に来てもらったり、
いろいろなことを試しがちです。
しかし、
その前にチェックすることがあります。
以下のことがしっかりできているでしょうか?
●文章問題なら、
まず図をていねいに書いて整理すること。
●図形問題なら、
一番基本になっている図形をしっかりと発見すること。
文章問題にかぎって言えば、
まず問題を読んで図(線分図や面積図)が正確に書けているか?
ここをしっかり確認しましょう。
私の経験上でも言えるのですが、
お子さんは問題を読んで、
図や線分図など書こうとしないで考えるのです。
「おいおい、その問題アタマの中で考えてもできないんじゃないかなあ…?」
ってアドバイスしても書かない子もいました。
それぐらい書かないんですよ。
私が塾講師をしていた時「年令算」の図を書くお子さんはほとんどいなかったです。
このように書くんです!
だから、
その習慣ができるまでは、
★図や絵を描いただけでも褒めてあげてください
それから、
応用問題というのは基本問題の組み合わせです。
この基本問題が「定着」していないと応用をこなすのは難しいです。
「定着」とは、
一度理解できたというレベルではないですよ。
問題を読んだとたんに自然に手が動いて、
図を書いて計算にすすんでいる…という状態です。
これぐらいに基本問題を何度も繰り返すのが、
応用問題をこなす近道なのです。「急がば回れ」です。
塾の宿題とかで時間がなかなかとれないでしょうが、
そこを頑張って基本に徹してみてください。
これは基礎練習で毎日やってもいいぐらいです。
大リーグの大谷クンやマー君が、
「おれ、うまいからもうキャッチボールしないんで、ヨロシク」…なんて言いませんよね。
それと同じことですよ。
応用を制したければ基本の徹底をやってください。
算数学習で基本が定着するとはどんな状態?
では、基本が【定着】するとはどういう状態か?
…を考えていきますね。
塾から持って帰ってくる連絡帳の中に、
面談していて先生の言葉の中に、よーく出てくる言葉ですね。
そして、お母さんは耳が痛い言葉です。
「○○が定着していません」
まさと君はまだ、植木算が定着していません…とか、
ゆりかちゃんは、まだ線分図が定着していません…とか。
「どうやったら、定着できるんでしょうか?」
定着するとは?
『じゃあ、定着ってどんな状態ですか?』って、
質問されたら答えられるでしょうか?けっこう難しいですよね。
では、ミスター・ツカムがお教えしましょう。
それは、
●無意識レベルで出来ることです。
無意識レベルでできるってどんなことでしょう?
我々は日常生活で「無意識」でやっていることたくさんありますよ。
たとえば毎朝、
学校に行ったり会社に行ったりしますよね。
道順を考えて、歩いていますか?
あそこのコンビニを右に曲がって、
そうそう、この自動販売機が見えたら、
もうすこしで駅だ。…なんて考えてません。
足が勝手に進んでくれています。
違うことを考えていても駅まで行けます。
定着…とはこのレベルです。
算数でわかりやすく説明すると
分数の足し算の計算。はじめて習った時って、
「通分」するのって、メチャメチャ意識したでしょ?
ええっと、6と5の最小公倍数は、なんだっけ?あっ「30」だ。
だから分母を、30に変えて…
これって、意識している状態です。「通分の初心者」ですね。
もう完璧にできる人は、こんなこと考えないでしょ。
分母の6と5を、
見た瞬間に「30」をノートに書いてますよ。
この状態が「通分が定着した」状態ですね。
「うちの子は線分図を書かないんです」
教材の希望者のお子さんは、こんな子多いです。
では、線分図が定着するとはどんな状態でしょうか?
もうお分かりですよね。
文章問題を読んでいる最中から、
手が自然に線を引き始めている。…という状態です。
この「無意識レベル」まで行くには、
子供も大人も、初めはメチャ「意識」する必要があります。
繰り返しくりかえし、
反復することによって「定着」していきます。
自転車に一度「無意識」で乗れるようになったら、
もう、一生乗れますよね?
だから、定着していない分野があるなら、
根気良く、練習を続けることですよ。
線分図の定着なんて「自転車」より簡単!
ころんで怪我することもないしね。
どうしたら定着できるか?
では、肝心なこと。「どうしたら定着できるか?」です。
●定着すること → 【無意識にできること】でしたね。
おさらいしておくと、例えば
・分数の通分をすること
・線分図を無意識に書いていること
・学校に歩いていくこと
・包丁で、千切り大根を作っている時 ←(これ重要です)
こういう状態を「定着」といいます。そうでしょ?
お母さんなら、よく分るでしょうが、
千切り大根を作っている時、意識して包丁を動かしますか?
今、包丁がまな板に当たった。
引き上げる時に、少し横にずらしながらっと…
今、大根に包丁が当たった。同じ感覚で、包丁を下にさげて。
こんなこと考えていたら、アタマ爆発しますね(笑)
千切り大根作るのに、何年もかかってしまいます。
じゃあ、お子さんが「線分図を書く」のを定着させるには?
答えは、お母さん全員知ってますよね?
「千切り大根・作成術」を定着した方法と同じことをすればいいんです。
最初は「意識」して繰り返す必要がありますね。
人が、あることを習慣化できるには、
連続二十一日間、必要であるといわれています。
やりだしの最初のうちは、しんどいです。きゅうくつです。
別の例で話します。
あなたは、靴を履くとき、右からはきますか?左?
それを逆にする習慣を作りましょう。
最初のうちは、メチャメチャ意識が必要です。
なんか「自分らしくない」なあ。…と、おおげさに考えます。
意識して数日繰り返すと、だんだん慣れてきます。
でも、ぼーっとしていると、いつもの癖がでます。
玄関に「靴は右から!」と書く必要がありますね。
だから、同じように机の上に「線分図を書く!」とか、
書いて目に付くところに置いておく。
これを二十一日間、試しに行ってみてください。
きっと、素晴らしい習慣になり、定着しています。
低学年のお子さんは、大変でも、
親が付いて、見てあげる必要がありますね。
そして、毎日出来たら「褒めて」あげてください。
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