塾から帰ってくる。
ご飯を食べる。
少し休む。
そして、また宿題。
算数。
国語。
理科。
社会。
時計を見ると、もう遅い。
まだ終わっていない。
親は、
「あとどれくらい?」
「早くやらないと寝る時間なくなるよ」
と言う。
子どもはだんだん不機嫌になる。
そして翌日もまた塾。
こんな毎日になっている家庭もあると思います。
ここで私は、ときどき思うことがあります。
その宿題、本当に今の子どもの学力を伸ばしているでしょうか。
宿題をやること自体が目的になっていないか
もちろん、宿題には意味があります。
授業で習ったことをもう一度やる。
自分で解けるか確認する。
忘れないように復習する。
本来は、そのためのものです。
ところが宿題が多くなりすぎると、
今日は何を理解したか。
何ができるようになったか。
ではなく、
とにかく全部終わらせる。
これが家庭の最大目標になってしまうことがあります。
「あと何ページ?」
「まだ算数残ってるよ」
「理科もやってないやん」
親も子どもも、宿題を終わらせることに追われる。
これでは、ちょっとしんどい。
「ちゃんと宿題をやりましょう」と言われたら反論しにくい
宿題が終わらない。
塾に相談する。
すると、
「成績が伸びている子は、宿題もしっかりやっています」
「まずは宿題をきちんとこなしましょう」
と言われることもあるでしょう。
そう言われたら、
そりゃそうですよね……。
となります。
親としても、
「うちがちゃんとやらせていないから悪いんだ」
と思ってしまう。
でも私は、一度だけ別の見方をしてもいいと思います。
宿題をやらせることで、
睡眠時間が減る。
親子喧嘩が増える。
毎日勉強が嫌になる。
塾へ行くことまで嫌になってくる。
そこまで来ているなら、
宿題を全部やることによって失っているものはないか
も考えていいと思うのです。
私なら、いったん宿題をやめることも考えます
もし個人的に相談されて、
「毎晩宿題で親子喧嘩です」
「子どもがもう勉強そのものを嫌がっています」
という状態なら、
私はかなり思い切って、
「一度、宿題を全部やるのをやめてみませんか」
と言うかもしれません。
もちろん、すべての家庭にそう勧めるわけではありません。
宿題が無理なく回っていて、ちゃんと力になっているなら、そのままでいい。
でも、もう完全に疲弊しているなら、一度減らしてみる。
その代わり、
塾では集中して、一つでも新しいことを分かって帰ってくる。
これを大事にします。
帰ってきたら、今日習った例題を1問だけ
例えば、塾から帰ってきたら、
今日習ったところから例題を一つだけやってみる。
それができた。
なら、
今日は合格。
それで終わり。
5ページやった。
20問やった。
ではなく、
今日習ったことを一つ、自分でできた。
これを確認する。
もちろん1問で受験勉強が完成するわけではありません。
でも私は、
嫌々50問やるより、
「今日これ分かった」
という感覚を一つ持って終わる方がいい場合もあると思っています。
一番なくしてはいけないもの
中学受験は長いです。
今日だけ頑張れば終わりではありません。
明日もある。
来週もある。
来月もある。
だから私が一番心配するのは、
宿題を終わらせることに力を使い切って、
「もう勉強したくない」
となってしまうことです。
本当は、
「今日はこれが分かった」
「次も一つ覚えて帰ろう」
くらいでいい。
私は、
また次の授業で一つ学ぼうと思える気持ちを残しておくこと
も、中学受験ではかなり大切だと思っています。
宿題をしないことを勧めたいわけではありません
ここは誤解してほしくありません。
「塾の宿題なんてやらなくていい」
と言いたいわけではありません。
宿題をやって、
理解が深まって、
無理なく続けられているなら、それでいい。
問題なのは、
宿題をやることで、学習そのものが壊れ始めている場合です。
そんなときまで、
「塾から出されたから」
という理由だけで全部続ける必要があるのか。
一度考えてみてもいいと思います。
量を減らしたら、本当に成績が下がる?
ここは親として一番怖いところだと思います。
「宿題を減らして、もっと成績が下がったらどうしよう」
当然です。
だから、いきなり永久にやめる必要はありません。
例えば一週間だけ、
宿題量を大幅に減らしてみる。
そして、
子どもの疲れ方。
塾での集中。
家での親子喧嘩。
翌日の勉強への抵抗。
そういうものがどう変わるかを見る。
これも一つの実験です。
減らして悪くなれば、また変えればいい。
逆に、
「前より塾で話を聞くようになった」
「家で少し機嫌がよくなった」
「1問なら自分からやる」
となるなら、
今までの宿題量が本当に必要だったのか、考える材料になります。
今日の宿題より、明日の学ぶ気持ち
受験勉強では、
どうしても、
何ページやった。
何時間勉強した。
宿題を全部終わらせた。
という「量」が目に入りやすいです。
でも、長く続けるなら、
明日もまた一つ学ぼうと思える状態か。
ここも見てあげてほしいと思います。
今日の宿題を全部終わらせるために、
明日の学ぶ気持ちまで使い切ってしまう。
それでは、ちょっともったいない。
宿題をやるほど勉強嫌いになっているように感じたら、
一度だけ、
「全部やる」以外の方法もあるのではないか。
と考えてみてもいいと思います。
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この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導20年以上。個別指導塾講師を経て、子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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