最近は、中学受験でもAIを使う場面が増えてきました。
過去問を何年分か読み込ませて、
「この学校の出題傾向を分析してください」
「今年出そうな単元を予想してください」
と聞く。
するとAIは、
この単元がよく出ています。
この形式が多いです。
この分野は最近出ていません。
今年はこのあたりが狙われる可能性があります。
と、実にそれらしくまとめてくれます。
便利です。
見やすいです。
しかも速い。
でも私は、そこで少し思うんです。
これ、人間が昔からやってきたことと、そんなに違うんやろか?
昔から、出題傾向表は見ていました
受験の世界では昔から、
過去問を並べて、
「割合、よく出てるな」
「速さは毎年のように出てるな」
「この単元、ここ数年出てへんな」
「そろそろ出そうやな」
と見ていました。
出題傾向表を作って、
○が何個ついているかを見る。
何年おきに出ているかを見る。
最近出ていない単元を見る。
そして、
「今年はこの辺かな」
と予想する。
これ、AIがやっていることと、かなり近いですよね。
AIは「未来を見ている」わけではない
AIが過去問を分析すると、
なんとなく、
科学的に未来を予測している
ように見えます。
でも実際には、
過去に出た問題の中から、
頻度やパターンを整理している。
そこから、
「次はこうかもしれない」
と予想している。
つまり、
人間が出題傾向表を見ながら、
「ここ出てるなあ」
「ここ、そろそろ来るんちゃう?」
と考えるのと、
根っこの部分はそんなに変わらないと思うんです。
では、AIを使う意味はないのか?
いや、そんなことはありません。
AIはかなり便利です。
人間なら、
何年分もの過去問を見比べて、
表を作って、
単元を分類して、
回数を数えて、
「あれ、これ何年に出てたっけ?」
となるところを、
一気に整理してくれる。
ここは強い。
人間が30分、1時間かけてやる整理を、かなり短時間でやってくれる。
これは大きなメリットです。
だから私は、
AIによる過去問分析は、
出題傾向を見るための時短ツール
として使うのは、とてもいいと思います。
でも「今年ここが出る」は、やっぱり予想です
ここから先は、少し話が変わります。
AIが、
「今年は割合が出る可能性が高いです」
と言った。
すると、
なんとなく信じたくなる。
AIが言うと、
人間の「そろそろ出そうやな」より、
少し立派に聞こえるんですよね(笑)。
でも、
予想は予想です。
過去に何回出ていようが、
しばらく出ていなかろうが、
今年それが出る保証はありません。
学校側は、
「3年空いたから今年はこれを出そう」
という規則で問題を作っているわけではありません。
少なくとも受験生側からは、そこまでは分かりません。
だから、
AIの予想を見て、
「今年はこれや!」
と一点張りするのは、私はちょっと怖いと思います。
AIの分析は、地図くらいに考える
私は、
AIの過去問分析は、
地図みたいなもの
だと思っています。
この辺によく道があります。
この道はよく使われています。
この辺は最近あまり通っていません。
そこまでは教えてくれる。
でも、
本番当日にどの道を通るかまでは分からない。
だから、
「この学校はこういう問題が多いんやな」
「この単元はよく出てるな」
と見る材料にはする。
でも、
「今年は絶対これ」
とは考えない。
そのくらいがちょうどいいと思っています。
人間のカンと、そんなに違わないのかもしれない
長く受験問題を見ていると、
人間にも、
「なんか今年はこの辺かな」
という感覚が出てきます。
もちろん外れることもあります。
AIも外れます。
人間のカンは、
経験からパターンを感じ取る。
AIは、
大量の情報からパターンを整理する。
やり方は違っても、
過去から未来を読む
という点では、案外似ています。
だから私は、
AIの過去問分析を、
ものすごく特別な未来予測だとは考えていません。
ただ、
人間が昔からやってきた出題傾向分析を、速く、きれいに整理してくれる道具
としては、かなり使える。
今のところ、そんなふうに見ています。
そしてもう一つ。
受験生側がAIで出題傾向を読むようになるなら、
学校側だって、それを意識するようになるのでは?
次は、そこを考えてみたいと思います。
この記事を書いた人|ミスター・ツカム
中学受験指導歴20年以上。個別指導塾で、延べ3,000人以上の子どものノートを見てきました。子どもの「やる気」や根性だけに頼らない学習の仕組みを考えています。
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